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地球へ… 紹介

物語の舞台は未来。
人類は地球を汚し、地球の復活のため地球に住むことを制限し、宇宙に散らばって生きる。人類の失敗を教訓にコンピュータに判断を任せ、生産・出産・育児・教育・政治…すべてを機械にゆだねた。



 物語は一人の少年が見る夢から始まる。いたずら好きで元気な問題児だったジョミーは、14歳の誕生日に行なわれる成人検査を前にしていた。成人検査を終えるとすべての子供は大人になるの教育を受けるため、育ての両親から離れてひとり、教育ステーションへ向かう。
 しかしジョミーの成人検査は無事には終わらなかった。夢に現れた少年ソルジャーブルーが、ジョミーを導いて、成人検査の本当の姿を暴く。そこからジョミーは思いもかけなかった立場に立つこととなり、地球政府にたてつく抵抗勢力『ミュウ』と行動を共にする。
 ジョミーの運命が、 次々と地球政府の裏側を暴き、 人間が生きるべき道を探る闘いへとつながっていく……。



少女漫画家としては多産?




当時は映画『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』などが公開され、かつてないほどにサイエンス・フィクション(SF)が注目されていた。マンガの世界も例外ではなく、少女マンガ誌上にすらSFを連載することができた。しかしこの連載は少女マンガ誌ではなく少年誌『マンガ少年』からの依頼だった。
 『風と木の詩』を週刊連載中だった竹宮は、 無理を承知でこの連載を引き受ける。もともと少年マンガを多く読んで育ったため、 少年誌からの依頼が喜ばしかったためと、 『風と木の詩』が極端な偏りのある内容だったので、 そうではない正統派のマンガをもう一本描きたかったと語っている。
 創作者としての精神的バランスをとるためか?とも思われるが、 週刊誌と、月刊誌とはいえ毎月40P程度を描いたと思われ、これで軽く月産枚数120Pを超えていた……。


 上の絵は、 個展のために描き下ろされた。30年以上の時が経っていると思えない。
どういうわけか竹宮は『風と木の詩』よりも『地球へ…』の絵を描くほうが、『いつでもきちんと主人公になる』。『地球へ…』の方が自分に近いから、と当人は言っているが、年月を経たのちに昔の連載の主人公を描くのは、 案外難しいものだ。しかしジョミーやソルジャーブルーを描く時は、意外にも比較的短い時間で結果が出てくる。






2007年TVアニメシリーズがもたらしたもの


 この絵も、2013年に鎌倉八幡宮のぼんぼり祭に奉納したもの。ぼんぼり絵として数日間の掲示のためだけに描き下ろされたもので、和紙に描かれた絵。というわけで原画は八幡宮にある。


 2007年に再度のアニメ化の話があったとき、 多くのファンがびっくりしたことだろう。30年も昔に連載が終了し、当時も東映動画によるアニメ映画化で大騒ぎをしたから、まさかもう一度そんなことがあるなどとは、 いっさい誰もが考えなかったことだった。当時小学生だったファンが成長してアニメのプロデューサーとなり、 かつて観た『地球へ…』のアニメ映画を短かすぎたと感じ、『やり直してみたかった』とは。何だか嘘のような本当の話。


 ともあれ、 TVアニメ化はかつてのファンが熱い期待を寄せる中で放映が始まり、 スクウェアエニックス版の新刊も出版され、 まるで連載当時のような盛り上がりがあった。このTVシリーズで面白かったのは、 ソルジャーブルーが長生きだったこと。かなり多くのファンが『地球へ…』という作品の主人公はソルジャーブルーである、と思っているということだ。いや少なくとも、 ずっと登場していて欲しいと思っている…連載当時は、 たった5巻分しか連載できなかったので、 そのあたりが読者には残念だったの…かもしれない。






誰もが愛する少年  セキ・レイ・シロエ




 この作品中で長生きの主人公たちとは違い、花火のように一瞬の光芒を放って消えていく登場人物。決して影は薄くない。どっちかといえば『強烈なヤツ』だ。地球政府という組織に属し優秀な軍人となることを嘱望されつつ、ただひとつ『幼い頃の記憶』を手放すことだけを拒否した。そのために彼は地球政府に粛正される。
 長いストーリーの中ではとても短い間しか登場しないにも関わらず、その役割があまりにも印象的であったために読者は彼を忘れることができないようだ。ジョミーのライバルであり、 地球政府の指導者となるキース・アニアンに重要な示唆を与え、 キースをただの敵役からもうひとりの主人公として格上げする重要な役割を果たした。


 ジョミーとキースが直接出会うことは物語の設定上、 ほとんど無理。安易に出会うとかえって嘘臭い。だからジョミーに似たシロエの登場が必要だった。もしかして遺伝子のいたずら?神の配剤? この世界、 試験管ベビーだから…




★★★★★★★★ このページは少しずつ記事を増やそうと思っています。お楽しみに! ★★★★★★★★